カテゴリ
以前の記事
最新のトラックバック
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
「Jealous Guy/John Lennon」
「Stand by Me」 「Woman」 「Starting Over」 「Imagine」 #
by kurobungo
| 2008-12-08 00:05
霧の朝だ 緑の葉は濡れ 崖よ岩よ 澄み渡った森 綺麗な水面 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 「それだけかね?」 「そう、それだけ。」 島崎は自嘲気味にゆがんだ微笑みを浮かべる。 穴倉のような酒場、そのカウンターに腰を落ち着けた男二人。 二人の間に熟れすぎた葡萄酒のような濁った時間が滞留している。 やがて男の一方、正木が両手を上にあげた。 その姿は儀式のしきたりに慣れていない無様な殉教者の礼拝のようにも思えた。 「それは文字通り、お手上げだ。」 下らぬ洒落(しゃれ)に場違いな台詞(せりふ)。 しかし、と島崎は思う。 その場違いな仕草まで、この男は様になっている。 時折、この正木という男は、同じ男の島崎から見てもゾくっとするほどの色気を感じさせる。 筋の通った鼻筋に影のある横顔。 じっと見つめられると、心の奥底まで見透かされいるような黒い瞳。 学生の時分にひょんなことで知り合いになり、互いに仕事を持つ身になった今でも、島崎は事あるごとに相談を持ちかけてきた。その都度正木は実に的を得た答えを返してくれたので、島崎は正木にすっかり頼り切っている。今の話もそんな相談に他ならない。 ただ、今回の相談は今までのものと毛色が違っていた。 「情報は結果を左右する。それだけの情報で何も答えることはできない。」 「正木だったらわかると思ったんだけど・・・。」 「それは買いかぶりすぎだ。僕は預言者でもなければ詐欺師でもない。」 「そりゃ、そうだ。」 島崎はやむを得ずといった風情で、背広の胸ポケットから一枚の紙を取り出した。 几帳面に折りたたまれた紙は葉書よりはやや薄く、日頃よく見かけるノート紙よりはだいぶ厚い。 紙は薄く着色されているようだが、薄暗い酒場の照明ではその色を識別できない。 島崎はカウンターに紙を広げた。 紙の中央部分に、丁寧な文字で短い文章が書かれていた。 「霧の朝だ 緑の葉は濡れ 崖よ岩よ 澄み渡った森 綺麗な水面・・・か・・・。」 「本当にそれだけだろう?俺にはもう、何がなんだか・・・ 朝、郵便受けにこの紙が入っていたんだ。 昨日家に帰った時には入っていなかったから、夜のうちに誰かがいれたんだと思うけど。 だけど、詩とは思えないだろう?英語に訳してみたりしたんだけど分からないし・・・。」 正木は食い入るように紙を見ていた。 その姿は聖典を読み解こうと試みる宗教学者のようでもあった。 また二人の間に濃い珈琲のような時間が流れる。 「ところで、君。」 暫しの後に正木が紙から目を上げ、悪戯を思いついた子供のような表情を見せた。 正木は昔から島崎の事を「君」と呼ぶ。他人行儀だと何度言っても一向に改めようとしない。 それが正木が他人と距離感を測るときの唯一の物差しだと言って。 「君は最近懇意にされている女性はいるかね?」 「え・・・い、いきなり何を言うんだ?」 「恥ずかしがることはないさ。君もそういう女性がいてもおかしくない年頃だ。 思うに、君はその女性にお付き合いの申し入れをしているのではないのかね?」 「今はそういう話じゃないだろう。」 「そういう話なんだ。 そうだな・・・。その女性は、僕のように君のことを『きみ』と呼ぶのではないかい?」 「え!何でそれを・・・」 「その女性はクイズや謎々を出して、君が解けない様子を見て喜んでいる。」 「た・・・確かに、その通りだけど・・・。」 正木はテーブルの上の紙を指でとんとんと叩いた。 「これは恋文だよ。」 「え?!」 正木は立ち上がると、紙と酒場の勘定書を重ねると、島崎の目の前に置いた。 「あとは自分で考えたまえ。それと、今日の勘定は君が持つことにしよう。 のろけ話を聞かされたんだから、それくらいしてもよかろう。 彼女には早めにお返事をしてあげることだな。」 正木は壁に掛けてあった外套と帽子を取ると、後ろ向きに片手を軽く上げ酒場の扉の向こうに姿を消した。 その姿は神に誓いを立てている敬虔な殉教者のように、島崎には見えていた。 ■□■□■□■□■□【トラバでボケましょうテンプレ】■□■□■□■□■□ 【ルール】 参加: お題の記事に対してトラバしてボケて下さい。 締切りは1つのお題に対し30トラバつく、もしくは10月31(金)夜中23:59まで 1つのお題に対しては1IDにつき1トラバ(1ネタ)とします。 お題が変われば何度でも参加OKです。 チャンプ: お題を出した人が独断で審査しチャンプ(大賞)を決めます。 チャンプになったら王様です。以下の特典と栄誉が行使できます。 1.お題を出す 2.言いたい放題な審査をする 3.次のチャンプを決める 何か困ったことがありましたら開催事務局までどうぞ。 企画終了条件: みんなが飽きるまで、もしくは開催事務局が終了宣言を告知した時です。 参加条件 特になし! ※ 以下あれば尚可!! ブログをもっている。あるいはこれから作成する。 トラックバック機能が使える。 ※誰でも参加出来るようにこのテンプレを記事の最後にコピペして下さい。 企画元 毎日が送りバント http://earll73.exblog.jp/ 開催事務局 ボケトラの穴 http://trana88.exblog.jp/ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ オープンですよん。オープン。 #
by kurobungo
| 2008-10-27 23:37
| トラバ狸の皮算用
オープン参加でよろしくお願いいたします。
トラバでボケましょう2008夏秋 レベル7 昨晩からTVのニュースで盛んに連呼していたのはコレの事だったのかと、ワタシはミュールの爪先の辺りに忽然と姿を現したその穴を眺め、誰に語りかけるでもなく一人呟く。穴、と呼ぶのが正しいのか。それとも、そもそも「それ」に正しい名称など存在するのか。 「ブラックホールが出現しました。」 少々過剰演出気味に、アナウンサーはそう連呼した。極小サイズのブラックホールと続け、さらに「それ」は大自然の人類に対する警鐘でしょうかとも続いた。異常気象といい地球温暖化といい、最近人類は神から警鐘ばかり鳴らされているらしい。もういいかげん実力行使に出た方がいいんじゃない。神様ってずいぶん堪忍袋の緒が長いのね。 「なぜブラックホールが形成されたのか。なぜ地上に出現したのか。そもそも、なぜそのサイズで留まっているのか。全ては謎です。」なんとか物理学の権威と紹介された学者はテレビカメラに向かって語っていた。まるで他の事はすべて解明されていますと言わんばかりに。「ただ、ブラックホールはあらゆる物を飲み込んでしまいます。光すらその穴から逃げ出すことはできません。ですから極小サイズとは言え、大変危険なものであることに変わりはないのです。」ワタシは話の中身より、学者の隣で神妙そうな顔で相槌を打つ女性アナウンサーのメイクの方に目を奪われていた。昨日より少しチーク濃いんじゃない?この娘。 「ですから、ブラックホールを見つけても決して触れたり近づいてはいけません。速やかに近隣の警察署にご連絡ください。」ニュースの終りにカメラ目線に戻ったアナウンサーは、そう締めくくった。 ワタシは足もとのブラックホールに再び目を戻す。その穴は相変わらずワタシの足元に漂っている。大きさはペディキュアを施したワタシの小指の爪くらいかな。「速やかに警察署に連絡ください。」アナウンサーはそう言ったけど、生憎ワタシの携帯の短縮に警察の電話番号は入っていない。「触れたり近づいてはいけません。」そう言われると触りたくなるのが人情ってもんでしょ。ワタシはその穴に向けて指を近づけてみた。 恐るおそる指を近づけてみると、その穴は指に近寄って来た。あ、なんかカワイイかも。ワタシが指をゆっくりと上げると、穴は指の軌跡を追いかけるかのように上がってくる。指を顔の前に止めると、穴もワタシの目の前で止まる。まるで写真に墨を一滴零したように小さな黒い点が浮かんでいる。上下左右から穴を眺めて見ても、それは確かに穴だった。 「決して触れたり近づいてはいけません。」また頭の中のアナウンサーが、今度は懇願するみたいな口調で語りかける。そう言われるとイジワルしたくなるのが乙女心ってもんでしょ。頭の中から、ある欲望が生まれてくるのを感じていた。ワタシはゆっくりと穴に指を近づけると、大きく口を開いて、来た黒い点をワタシの口の中に誘った。 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ 「それでは、次に大盛りカツ丼10杯に挑戦してもらいましょう!!!」 観客から「えー!」とか「うそー!」とか、やや大げさな驚きの声が挙がる。でもワタシは顔色も変えずに箸を持つの。だって、ワタシの胃袋には・・・ 「おーっと、ギャル○根!10杯食べても全くペースが落ちません! 彼女の胃袋はブラックホールかぁぁっ!!!」 ■□■□■□■□■□【トラバでボケましょうテンプレ】■□■□■□■□■□ 【ルール】 参加: お題の記事に対してトラバしてボケて下さい。 締切りは1つのお題に対し30トラバつく、もしくは2008年9月7日(日)23:59まで 1つのお題に対しては1人1トラバ(1ネタ)とします。 お題が変われば何度でも参加OKです。 チャンプ: お題を出した人が独断で審査しチャンプ(大賞)を決めます。 チャンプになったら王様です。以下の特典と栄誉が行使できます。 1.お題を出す 2.言いたい放題な審査をする 3.次のチャンプを決める 何か困ったことがありましたら開催事務局までどうぞ。 企画終了条件: みんなが飽きるまで、もしくは開催事務局が終了宣言を告知した時です。 参加条件 特になし! ※ 以下あれば尚可!! ブログをもっている。あるいはこれから作成する。 トラックバック機能が使える。 ※誰でも参加出来るようにこのテンプレを記事の最後にコピペして下さい。 企画元 毎日が送りバント http://earll73.exblog.jp/ 開催事務局 ボケトラの穴 http://trana88.exblog.jp/ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ええっと、オープンです。オープン。 オープンって、何ですか? #
by kurobungo
| 2008-09-07 22:13
| トラバ狸の皮算用
トラボケ 2008夏 レベル6 お題発表
お題 薄暗い夜道を歩いていると、見知らぬ人物が前方に立ちふさがった。 その人物はコートをはだけ、何らかのブツを露出して、何らかの行為を行いはじめた。 さて、どう反応したものだろうか? ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ 帽子の影になり男の表情はうかがえない。けれど、きっと笑っている。煙草の脂に汚れた歯をだらしなく見せ、私のおびえた顔を見て悦に浸っている。きっと、そうに違いない。 男はコートを広げたまま、私に向かってゆっくりとにじり寄る。逃げなきゃ。理性はそう指令を出すけれど、私の両足は恐怖のあまり力を失い、私は声も出せずその場に跪く。 男は自分の下腹部にゆっくりと手を伸ばす。 そして、彼のブツに手を添えた。 私は目を背けることも忘れ、彼のブツを凝視する。ごくり。私の喉が鳴る。恐怖と欲望が混濁した、えもいわれぬ感情が私の内側から湧き上がってくる。そして、それは経験したこともない快楽へと私を誘っているかのようでもあった。 男は、ゆっくりとブツを私の眼前に差し出す。 生臭い香りが、私の鼻孔を刺激する。 無言で男はさらにブツを近付ける。 私はゆっくりと唇を開き、男の差し出すブツを口に含む。 最初は恐々と、やがて大胆に。 私は舌先で唾液をねっとりと絡ませ、ブツのこりこりと硬直した感触を楽しむ。 快感が私を貫く。 ああ、 お口の中いっぱいに、磯の香りが広がるわ。 このこりこりとした食感。 採れたてって、やっぱり新鮮よね。 って・・・ そりゃぁ、 ”ブツ”じゃなくて”つぶ貝”やないか!!! ■□■□■□■□■□【トラバでボケましょうテンプレ】■□■□■□■□■□ 【ルール】 参加: お題の記事に対してトラバしてボケて下さい。 締切りは1つのお題に対し30トラバつく、もしくは次の金曜日夜中まで 1つのお題に対しては1人1トラバ(1ネタ)とします。 お題が変われば何度でも参加OKです。 チャンプ: お題を出した人が独断で審査しチャンプ(大賞)を決めます。 チャンプになったら王様です。以下の特典と栄誉が行使できます。 1.お題を出す 2.言いたい放題な審査をする 3.次のチャンプを決める 何か困ったことがありましたら開催事務局までどうぞ。 企画終了条件: みんなが飽きるまで、もしくは開催事務局が終了宣言を告知した時です。 参加条件 特になし! ※ 以下あれば尚可!! ブログをもっている。あるいはこれから作成する。 トラックバック機能が使える。 ※誰でも参加出来るようにこのテンプレを記事の最後にコピペして下さい。 企画元 毎日が送りバント http://earll73.exblog.jp/ 開催事務局 ボケトラの穴 http://trana88.exblog.jp/ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ エロはマムに任せときゃ良かった。 反省はしてません。後悔はしてますが。 #
by kurobungo
| 2008-08-18 21:14
| トラバ狸の皮算用
彼女はメニューを決めるのが遅い。
いつもメニューを眺めながら、ああでもない、こうでもないといつまでたっても決まらない。 だから、いつもオレはイラついている。「早く決めろよ。」腹がすいている時など、特にそうだ。 「だって、何にしようかって悩んじゃうんだもの。」なぜか彼女は笑っている。 その笑顔が、またオレをイラつかせる。「なに言っているんだ。オレは腹減ってんだぞ。」 「ごめん。ごめん。」二度繰り返される謝罪に、悪気など微塵も感じない。 「あやまるくらいなら早く決めろ。」 いつもこれの繰り返しだ。 彼女が決めることが遅いのは、なにもメニューに限ったことではない。 買い物に行っても、1,00円のTシャツ一つ選ぶのに丸一日費やすことはざらだ。 そんなことって考えられるか?まさに時間の無駄だ。 「ねぇ、どっちがいいと思う?」 「知らないよ。さっさと決めろよ。」 「だって決められないんだもの。」 そう、彼女は何事も自分では決められない。 かといって、人のアドバイスを素直に聞くわけではない。 「こうした方がいい。」とオレが言ったところで、「でも・・・」とか「やっぱり・・・」とか始まる。 しまいにオレは何も言わなくなる。好きにすればいいだろ。 結局、オレはいつも彼女の決断力のなさにイラついている。 寝苦しさを覚え、オレは夜中にふと目を覚ました。 青白い月明かりが、カーテンの隙間から部屋に差し込んでいる。何気なく目を凝らすと、そこに彼女の姿があった。どうやら彼女も起きてたらしい。枕もとに座り、何かを手にして考え込んでいる。また何かを選べなくて悩んでいるのか。今度は通販商品か?バカバカしい。 「ねぇ。」 彼女はオレに声をかけた。 「なんだよ、こんな夜中に。」 「迷っているのよ。」 やっぱりだ。オレはため息をつく。 「私には決められないのよ。あなたが選んでくれない?」 彼女はオレに向かって何枚かのカードを差し出す。 これを選べばいいんだろ。 オレは極めていい加減に、彼女の差し出したカードの一番右端を引いた。 それを見た彼女の顔は、月明かりの中、ゆっくりと笑顔に変わった。 なぜかとても冷たい笑顔だった。 「やっぱりそうよね。」 「な、なんだ?コレは?」 「私ね、このままでいいのかずっと悩んでいたの。 あなたと一緒にいても、いつもいつも、あなたにせかされて。 このままでいいのかって。別の生き方があるんじゃないかって。 でも、今わかったわ。誰と一緒にいるべきかって。 あなたが選んでくれたカードに従ってみるわ。」 そのカードは オレの知らない男の、写真だった。 ■□■□■□■□■□【トラバでボケましょうテンプレ】■□■□■□■□■□ 【ルール】 参加: お題の記事に対してトラバしてボケて下さい。 締切りは1つのお題に対し30トラバつく、もしくは 1つのお題に対しては1IDにつき1トラバ(1ネタ)とします。 お題が変われば何度でも参加OKです。 チャンプ: お題を出した人が独断で審査しチャンプ(大賞)を決めます。 チャンプになったら王様です。以下の特典と栄誉が行使できます。 1.お題を出す 2.言いたい放題な審査をする 3.次のチャンプを決める 何か困ったことがありましたら開催事務局までどうぞ。 企画終了条件: みんなが飽きるまで、もしくは開催事務局が終了宣言を告知した時です。 参加条件 特になし! ※ 以下あれば尚可!! ブログをもっている。あるいはこれから作成する。 トラックバック機能が使える。 ※誰でも参加出来るようにこのテンプレを記事の最後にコピペして下さい。 企画元 毎日が送りバント http://earll73.exblog.jp/ 開催事務局 ボケトラの穴 http://trana88.exblog.jp/ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ トラボケ 2008夏 レベル5 お題発表♪ 黒文豪ということで、ちょっとブラックにしてみたかったのですがダメでした。 ブラックなのは、もうちと修行してまいります。 #
by kurobungo
| 2008-08-11 22:22
| トラバ狸の皮算用
|
ファン申請 |
||